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KPIを設定・運用する5つのメリット

f:id:consulting-kfs:20161025102302j:plainこんにちは! 加藤です。
 
久しぶりの投稿になりますが、本日は、経営管理において
KPI(ケーピーアイ)を運用する5つのメリットをご紹介します!
 
そもそもKPIってなんぞや?というところから申しますと、
KPIとは、Key Performance Indicatorの頭文字をとったもので、
企業経営における成功の鍵となる指標を指します。
 
具体的には、成果そのものや、成果を生み出すためのプロセスを
数値的に測ることができる指標です。
自社が以下に当てはまるようでしたら、是非続きを読んでいただければ幸いです。
  • PDCAが回せていない(何が悪くて、何が良かったのかが把握できず、次の行動に活かせていない)
  • 目標を数字で示せていない(売上高などの目標はあっても、それをどのように達成するのか、数字でブレイクダウンできていない)
  • 今自社がどの立ち位置にあるのか、どこに向かっているのか、経営者も社員も、あいまいな感じがする
  • 行き当たりばったりで、成果を出すためのプロセスが練られない
書籍「KPIで必ず成果を出す目標達成の技術」によると、KPIは大きく成果KPIプロセスKPIに分かれます。
 
成果KPI、またはKGI(Key Goal Indicators) は組織のビジョンを達成するために決めた「一定期間内に成し遂げるべき数値目標」で、プロセスKPIは目標となる成果KPIを達成するために「やるべきことを定量的に表した指標」です。
 
また、成果KPIを達成するための要素である重要成功要因(CSF=Critical Success Factors)を考えることが、プロセスKPIを設定する上で重要とされています。
 
中小企業経営では、これまでの記事でも書いてきたように、理念やビジョンを設定して、中長期経営計画、単年度計画を策定することが持続的な成長を実現する上で重要ですが、やはり最後はアクション(実行)と、できたか、できていないかのモニタリング(予実管理)が成果を決定づけます。
 
 
KPIの設定と運用は、策定した計画とアクション・モニタリングを有機的に結びつける有用なマネジメントツールとして位置づけられています。
 
こう書くとなんちゃらほいという感じでしょうが、経営者の方々は自然とKPIを設定しています!
 
簡単な例をあげると、成果KPIが売上高や経常利益率、プロセスKPIが新規顧客獲得件数、訪問件数などです。
 
長くなってしまうので詳細の事例は今後の投稿に譲るとして、まずはそのKPIを設定して、運用することの5つのメリットを以下に列挙しましたので、自社の経営管理で取入れていないようであれば、是非設定・運用を検討していただければと思います。

1.やるべきことが全社員で明確になり、不安や迷いがなくなる

KPI設定により、様々な経営活動を指標化・定量化することにより、自社全体や部署、社員一人ひとりに至るまで、現状と目標、目標を達成するために何をいつまでどれくらい行えばいいのかが「見える化」されます。
 
今日・今週・今月、今期やるべきことが明確になっていれば、極端な言い方をすれば「後はやるだけ」。
 
結果は成果として数値でわかりますし、達成すれば、それは「その時は正しい選択だった」と評価できますし、成果や活動が足りていなかったら、原因がすぐ分かりますし、
はやく課題に対応することができます。
 
何をどこまでやるかがわかっていると、人の不安は軽減され、動きやすくなります。

2.言語の共通化により、組織力がUPする

会社は人の集まりです。一人ひとり異なる人生があるように、考え方も十人十色です。
いくら会社が理念やビジョンを語ったところで、個人の解釈の仕方は大なり小なり異なってきます。
 
数字で経営を語るということは、そこに解釈の余地は存在しにくくなります。
つまり、誰が見ても同質に解釈されることになり、コミュニケーションミスが軽減されます。
 
KPIの設定は理念・ビジョンからぶれないように設定される全社レベルのものから、・課・個人レベルにいたるまで有機的な結びつきをもつよう設定されるので、経営層・管理職・社員まで共通でぶれない目標と活動が共有されます。
 
結果として、共通の認識に基づき、曖昧さが排除されたコミュニケーションがなされるため、コミュニケーションの密度がUPします。結果として、組織力がUPします。

3.優先順位が明確化され、生産性が高くなる

人は誰でも集中できない時間があります。その中で、あらゆる業務が四方から降ってきたら誰でも嫌になりますし、積まれた仕事はどこから手をつけたらよいかわからなくなります。
 
KPIを設定するプロセスでは、成果を出すために優先順位をつけて計画化されるので、
やること、やる人、いつやるか、どこまでやるかに加えて、どの「順番で」が加わります。
 
これにより、やるべきこととその順番が明確になるということは、逆に言えば、「やらなくてもいいこと」も明確になります。
 
もちろん細々とした仕事は多少なりともあると思いますが、集中すべきところがわかってれば、メリハリの効いた活動ができるようになり、結果として生産性が高まります。

4.個人の成長を促す

個人レベルに視点をうつすと、KPIを設定していない場合、行動の何が悪いかが見えないため、惰性で行ったり、誰かが何とかしてくれるだろう、といったことになりがちです。
 
しかし、成果KPIをモニタリングすることで、自分の活動がタイムリーにうまくいっているか、いっていないかがわかります。プロセスKPIのモニタリングでは、やるべきことができているか、できていないかがわかります。
 
また、3の通り優先順位が明確なので、やるべきことに集中していることや、コミュニケーションが曖昧にならないので、仕事を早く覚えます。
 
さらに、目標とのギャップがあると、早めに手をうつクセがついたり、創意工夫をしたりするようになります。
 
結果として、段取りの良さや課題への対応力、問題解決力の向上といった成長をもたらします。

5.会社が成長し続ける良いサイクルをつくることができる

最後のメリットとして、1〜4のメリットを享受した結果でもありますが、会社の成長に好循環をもたらすことができるようになります。
 
KPIのモニタリングによって、すぐに経営状況を把握することができます。
思った成果がでていなければ、すぐに原因を突き止めることができます。
原因に対処する時間の余裕ができます。
 
成果が出ていたら、成功事例になるとともに、さらに成果を上げるにはどうしたら良いか考える金銭的・時間的余裕が生まれるようになります。
 
KPI運用を事業活動の一環としてとして確立することができれば、どれだけ組織が大きくなっても、どのような変化にも適切に対応できる体制が整備されます。
 
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以上、KPI設定・運用のメリットをお伝えいたしました。
 
特に中小零細企業ではKPIの設定・運用が目的意識を欠いて
曖昧になっているケースが多いと感じています。
 
理念やビジョンをもとに中長期計画を立て、
適切なKGI、KPIを設定・運用をすると顧客や従業員満足度の高い、
良い形で業績が上がってくることが多いので、
是非取り入れることを検討してみてください。