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中小企業の経営に役立つ情報やメンバーの日々の活動を発信!

長寿企業は◯◯が違う!? 持続可能な企業のKPI

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こんにちは! 加藤です。
 
最近、ネットサーフィンしてましたら(汗)、、
企業のサステナビリティ(持続可能性)について面白いレポートがあったのでご紹介します。
 
日本は、世界で最も多く長寿企業が存在していると言われます。
 
帝国データバンクの2013年のレポートによると、データのある144万社のうち、創業100年の企業は約26,000社。中には1,000年以上続く会社も数社あるとのこと。
 
さらに、少し古いですが2008年の韓国銀行の報告によると、世界で200年以上続いている会社は約5,500社以上あり、そのうち3,100社以上が日本の企業だといわれています。
 
会社が「続く」理由はどこにあるのでしょうか? 
 
冒頭で述べた研究とは、日本の研究者の方による「Sustainability KPIs for Integrated Reporting(統合報告書に適する持続可能性の重要指標について)」なるもので、2013年に発表されていました。
 
この研究では、世界の創業100年以上の会社とそうでない会社を調査し、持続可能性を高めるための重要なファクターについて分析しています。
 
要は、「長く続く企業は財務諸表上でどんな特徴があるんだろう?」ということを調べています。
 
英語ですが、ご興味がある方はこちらをご参照ください。
 
本ブログでは、結論(研究者の提案)のみをご紹介させていただきますと、以下の2点が財務安定性と持続可能性を高めると結論付けられています。
 
1.付加価値分配率
2.収益の安定性(+高収益性)
 
具体的にみていきます。
 
1.長寿企業は株主以外への付加価値分配率が非長寿企業より高い
  (=長寿企業は儲けを株主以外に分ける割合が高い)
 
やれ配当を高めろ、株価を上げろ、株主が第一だといったことに敏感に反応していると、長くは続かない、それよりも、長寿企業は従業員への給料、債権者、取引先、社会還元(政府)などに多くを割いている傾向があるということです。
 
とは言っても、一義的には会社は株主のもの。株主満足なくして、会社は持続することができるのでしょうか?
 
そこで、
 
2.収入のブレの少なさ
 
ということが長寿企業の第二の特徴として挙げられています。
 
収益を「安定的」にあげることで、単年度では配当は少なくても、長期にわたって分配されることで、株主の満足度を維持、高めていると解釈されると延べられています。。
 
結局、周囲に良い価値を提供し続け、対価は皆で分かち合えるような組織が、広い意味で、社会も含めて周囲に支持され続けるのでしょう。まさに三方良し。そのためには、やはり理念とその実践が大事だな〜と感じさせられます。
 
企業経営をされている方も、この付加価値分配率、収益の安定性(ブレの少なさ)を自社の持続可能性を測る尺度として意識されてみてはいかがでしょうか。
 
今後私たちも試験的にこの数字の傾向を追っていきたいと思います!
 
最後までお読みいただきありがとうございました。

予実管理で成果を出す5つのポイント

f:id:consulting-kfs:20160229160927j:plainこんにちは! 加藤です。 
 
前回の記事「中期経営計画って必要なの? 策定の5つのメリットでは、中小企業でビジョンを数値に落としこむことのメリットをお伝えしましたが、今回は作成した計画を100%活用するための「予実管理」のポイントをお伝えします。
 

予実管理の重要性

この予実管理、通常は3〜5カ年の中期経営計画ではなく1年間の計画である単年度計画とともに実施します。現在と、比較的近い未来を変えて行くための具体的な行動をつくるための管理です。
 
そもそも予実管理とは何でしょうか。予実の「予」は予算、「実」は実績です。予算とは計画における企業のビジョンを実現するために望ましい数字であるのに対し、実績は実際に活動した結果としての数字です。
 
 予実管理の目的は、望ましい数字と結果としての数字を見比べて、何がいいのか悪いのかを見定めて、正しい行動に繋げることです。
 
計画と予実管理は、よく航空機や車の「計器」に例えられます。私は、カーナビに例えています(ペーパードライバーですが…)。
 
 企業のビジョン(例えば、地域売上No.1の飲食店になる)が5年後の目的地であるとして、会社という車に乗り、その目的地に進みますが、概ね以下の様な流れになると思います。
 
  1. 初めにゴールを設定し、時間と距離、消費するガソリンの量などを確認し、どの道を進むか決める(ビジョン、計画と戦略の策定)
  2. 出発し、カーナビの案内に沿って運転する(事業活動の遂行)
  3. 運転中適宜カーナビを確認し、予定された順路を適切なスピードで進んでいるか確認(予実管理)
  4. コースからずれたり、遅れたりしていれば、その原因をつきとめ(予実差異分析)、新しい道を検索するか(戦略の変更)、ガソリンを補給するか(人材採用、資金調達)、タイヤを交換するかなど(設備投資)、しっかりゴールにたどり着くために今までとは異なる行動を考える(行動計画)
  5. ゴールに向かって3・4を繰り返し、着実に前進する(事業活動の遂行)
 
逆に、カーナビや各種メーターがない状態を考えてみてください。
目的地は定まっておらず、今どこにいるのかもわからず、あとどれくらいの時間で、どれくらいの距離を走ればいいのか、スピード(事業の進み具合)もどれくらいでているのかわからない、ガソリン(資金)もいつ切れるかわからない、などといった状況です。
 
運転手(経営者)は何を考えているのでしょうか。何をしでかすかもわかりません。車に乗っている人(社員)は安心していられるでしょうか。車に乗っている人は何をしていいのかもわかりません。
 
これではただの目的なくただ走りを楽しむだけのドライブで、運転手の自己満足(経営者の私利私欲のための経営)になってしまいます。 
このままでは、いつか事故やエンストを起こします。運転手だけでなく、乗組員も傷ついたり、その家族も悲しんだりしてしまうかもしれません。
 
極端な例かもしれませんが、計画と予実管理がいかに重要かがおわかりいただければ幸いです。
 
ここで、今回の記事のタイトルでもある、予実管理をする上で重要なポイントを5つに絞りお伝えいたします。
 

効果的な予実管理5つのポイント

 

1. タイムリーな集計を心がける

  予実管理で最も重要なのは、定期的に実績を集計し、なるべく早く予算と実績の差を分析することです。事業活動は止めることができず、常にまわっています。時間が経てば経つほど、環境も変わり、情報が陳腐化します。実績は過去の数字ではありますが、情報が新鮮であれば、打ち手の効果が未来の数字に反映される可能性が高まります。具体的には、1ヶ月が終了したら、長くても1週間以内に売上や会計・資金繰り実績を集計し、2週目の初めには会議と新たな行動の意思決定をすることが望ましいでしょう。

 
 
2. 細かな数値は追いすぎない
  次に大事なポイントは、科目や分析指標等の細部にこだわりすぎないことです。一つ一つの科目をあぶり出して、1円単位まで差異を確認したり、少しでも差異をみつけたら、それを潰さないと気が済まない、という気持ちはわからなくもありませんが、リソースは限られています。木を見て森を見ず、にならないよう、要約した科目や指標のうち、業績改善へのインパクトが強いと考えられるものに焦点を当てて、集中して改善行動に取り組むことが重要です。
 
3.深掘りする
  全体を俯瞰して、一度優先度が高い取り組むべきテーマが決まったら、今度は何がボトルネック(差異を生む要因)なのかを深掘りします。
例えば、飲食店の売上向上をテーマとした場合、売上予算未達成(結果)→来店客数、顧客単価、回転率、リピート率等の要因を特定(分析)→回転率が悪いという仮説がたった場合、なぜ回転率が悪いのかを議論(分析深掘り)→その結果、新メニューの調理時間の長さに問題があるのではないかという仮説を立てる(仮説構築)→調理・提供プロセスの改善計画を立てる(行動計画)、というような具合です。課題を見つけるときは鳥の目で、課題を生む要因をみつけるときは虫の目で、というイメージで深掘りします。
 
4. 行動する
  単純ですが、できそうで最もきていないことが、この「決めたことを行動に移す」ということです。
せっかく経営計画や予実管理の重要性を理解していただいても、行動につながらなければ、計画を立てていないに等しいくらい、無意味です。行動につながれば結果が出て、また次にどうすべきか、新たな情報を持って考えることができます。なかなか行動に移せないという場合は、行動の予実管理も必要かもしれません。
 
5.計画を見直すことも視野に
  計画や予算は経営者ご自身が納得して作られたもの(のはず)です。それに向けて動けていない、著しく差異がある場合は、本当にそのゴールを望んでいないか、社員が腹落ちしきれていない一方的なものなのか、あるいは無理のあるものなのかもしれません。計画に無理があると感じられた場合は、無理に予算に合わせて戦略を導こうとはせずに、計画そのものの見直しをはかることが肝要です。次に作成する際は、前回よりも精度の高い、チャレンジすれば達成可能な適切な水準での計画ができるでしょう。
 
以上、予実管理で成果を出すためのポイント5つ、お伝えしました。
 
 次に何をしたらいいのか、具体的になるということは予実管理の最大のメリットでありますが、具体的なアクションと期間を定めたら、是非実行に移していただきたいと思います。また定めた目標は、経営者はもちろん、実行するヒトが納得できる目標であることが望ましいとされています。 納得目標と強制目標では、生産性に3倍近くの差がうまれるという話もあります。是非現場の社員の方々にも、現在の立ち位置や今後の方策を共有することを意識してみてください。
 
いかがでしたでしょうか。KFSでは、中期経営計画と単年度計画を具体的な数値までの立案をサポートした後、具体的な行動プランと、今回書いたような予実管理を経営者様とともに行ってまいります。
 
成長している会社はほぼ100%行っていることですので、もしまだ体制が整備されていらっしゃらない企業様がおりましたら、お気軽にご相談いただければ幸いです。
 
ちょっと最近カタメな記事なので、次回は「中小企業の独特・オモシロ~な取り組み」を集めてご紹介したいと思います! 最後までお読みいただきありがとうございました。
 
 

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中期経営計画って必要なの? 策定の5つのメリット

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こんにちは! 加藤です。
 
度々フェイスブックなどでもお知らせしておりますが、私たちKFSコンサルティングが中小企業の社長にオススメしているアクションのひとつに、中期経営計画策定があります。

経営計画に対する社長の考え方

おそらく、中小企業の社長は中長期の経営計画に対して主に以下の5つの考えのいずれかをお持ちかと思います。
 
  1. 計画を立てることは良い!業績向上につながった!
  2. 計画を立てたことはあるけど、絵に描いた餅で、全く良くならない。
  3. 計画は立てたほうが良いと思うけど、つくり方がよくわからない。
  4. 計画を立てている時間があるなら、営業して稼ぎたい。
  5. 計画なんてなくたって、今までうまくやってきてるし、必要ない。
 
日産のカルロス・ゴーン社長の名言に
「素晴らしい計画は不要だ。計画は5%、実行が95%だ。」というのがあります。
 
計画よりも、実行が大事ということを表していると思いますが、それでも質の高い行動を起こすために少しは必要、ということがわかります。本当に計画が不要であれば、0%でもよいでしょう。
 
上記の1の考えをお持ちの社長はおそらく、しっかり会社の理念を数値と行動計画に落とし込み、実行に移し、結果を省みて、次の行動に活かせていることと思います。是非、今の行動を続けていっていただきたいと思います。
 
2では、計画を作ったのはいいが、そのことに満足してしまい、具体的な行動に落とし込めていないことでしょう。行動がなければ結果が生まれないため、業績向上や財務体質改善という成果につながりません。やり方に問題がある可能性がありますので、ご相談いただければと思います。
 
3の考え方では、計画はなんとなくよいものだと感じているが、実際に計画策定をサポートできるリソースがなく、計画策定の意義を実感できていないのでしょう。社内人財やパートナーが不足していることと思います。こちらも一度、ご相談いただければと思います。
 
4、5の考え方を持つ社長は、経験豊富で勘も鋭く、行動力があるなど経営センスに長けていることもあり、計画策定の必要性を感じていません。それでも、是非以下の5つのメリットをご覧頂き、なぜ計画策定が会社を良くするのに必要なのか、一度立ち止まって考えていただければと思います。
 

経営計画(中期)を作る5つのメリット

 
中期経営計画は、3〜5年の中長期の会社の事業計画です。会社の5年後を見据え、理念や行動指針にもとづいて、方向性(道)を示し、その進み方(戦略)を考え抜き、そこにたどり着くために何をマイルストーンとするのか(目標)ということを、具体的な数値と行動予定を加えてつくります。
 
以下では、このような中期経営計画を策定する5つのメリットをご紹介します。
 
1. 頭の中が整理される
        社長は得てしてアイデアマンであり、営業力があり、頭の回転が速く、行動が早いです。しかし、考えることが多岐に渡り、日々問題に対処しているため、視野が狭くなったり、方向性を見失ったりすることがあるかと思います。
 
 計画は、一歩引いたところから、自社の「ありたい姿」、将来進むべき道をしっかり考え、それを文字や数字に書き出します。これにより、社長の考えを整理することができ、ブレない行動をとることができるようになります。
 
2. 課題が明確になる
  自社のありたい姿から計画を立てた時、現状に照らして足りないところが見えてきます。人財なのか、資金なのか、新商品なのか、市場なのか…これが課題です。この課題をどう埋めるのかが戦略です。特に定量的な計画をつくることで、課題が浮き彫りになります。課題が浮き彫りになれば、具体的に何を、どれだけ、を考えるきっかけになります。
 
 今より自社を縮小させる計画をつくる社長はほぼないと思います。つまり、計画をつくることは、課題が明確にし、その対処法を考えることにつながり、あとは実行しさえすれば、自ずと会社は成長することになります。
 
3. 社員がやる気になる・良い人財を獲得できる
  これは、作成した計画を社員と共有するという前提です。計画は、売上目標だけでなく、その上位の概念である理念やビジョン、方針などから作られます。
 
 社員からしてみれば、真っ暗闇のトンネルを手探りで進むのと、トンネルの向こうに一寸の光が見えているのでは、行動に雲泥の差がでます。「我が社は今この位置にいて、こういった考えのもとにここまで進もうと思う。この位置までくれば給料もこれくらい支払えるし、顧客や社会にこんな貢献ができる。だから今はこれを頑張っていこう」と数字とともに示し、社員が納得すれば、社員の行動が良い方向に変わります。
社員との一体感を醸成するきっかけになります。また、理念やビジョンに共感した優秀な人財が集まってくる可能性が高まります。
 
4. 社外関係者からの信頼感が高まる
  これも作成した計画を社外に共有(公開)するという前提です。社外関係者とは、金融機関、取引先、顧客、社員の家族、地域社会などです。
 
 金融機関は、実績だけでなく計画をビジョンとともに共有することによって、借入がしやすくなる可能性があります。取引先も、安心して取引をすることができます。
 顧客は、自社が提供する商品やサービスが何のためにあるのか知ることができ、想いを共有できます。応援者を増やすきっかけになります。
 社員の家族も社員と同様、光が見えれば安心することができます。
 地域社会も同様で、理念を伴った計画が地域社会の発展に貢献するということが共有できれば、応援してくれる可能性が高まります。新たな顧客や社員となってくれるかもしれません。 
 
5.ワクワクする
  旅行の計画を立てるとき、あれやこれやと想像して、楽しくなるのと同様に、イメージを拡げて将来のビジョンを描くことは、ワクワクするものです。弊社でサポートしている企業様も、中期経営計画を作成した後は、非常にワクワクして帰られます。
 
 21世紀の事業は、総じてワクワクからはじまっているように思います。こんな事業をしてこんな世界を創造したい、こんなことをしたらお客さん喜んでくれるだろうな・・など、社長はもちろん、社員もワクワクが原動力になります。上場するための中期計画や、単年度計画とは若干異なるかもしれませんが、中期の経営計画ははワクワク発生装置と言えるかもしれません。
 
以上、中期経営計画の5つのメリットをお伝えしました。
 
 逆にデメリットはというと、計画の質にもよりますが、策定に時間がかかることでしょうか。ただ、計画策定にかける時間と、その効用のバランスを是非みてください。計画作成自体は収入を生みませんが、理念や数値に基づいた質の高い行動計画を立てることによって、ブレず、目標達成に直結する行動を効率的、効果的にとることができるようになります。そのための時間を投資してみるということも選択肢に入れてみてください。
 
とは言え、実際に体験してみないことには、その意義は伝わりにくいかもしれません。KFSコンサルティングでは、専用ソフトを使って1日で中期経営計画を策定するセミナー、「将軍の日」で計画立案のサポートをしています。まだ作成されたことがなければ、一度ご相談いただければと思います。
 
今後当ブログでも、体験していただいた社長の声をお伝えしてまいります。
 
次に大事なのは単年度計画と予実管理。次回は「予実管理の大切なポイント5つ」をお伝えします。
 
最後までお読みいただきありがとうございました。
 

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株式上場とは? そのメリット・デメリットと本質(2/2)

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こんにちは! 加藤です。昨年に「株式上場とは?そのメリット・デメリットと本質(1/2)」を掲載して以来、だいぶ時間が経ってしまいました。。
 
前回は上場のメリット・デメリットを中心にお伝えしましたが、今回は上場の本質に係る私見をお伝えできればと思います。

企業は社会の公器?

経営の神様といわれる、松下幸之助はこんな言葉を残しています。
 
「企業は社会の公器である」
 
昨年は、大手総合電機メーカーや建材会社の不正がニュースになり、大きな話題を呼びました。
 
上場している会社ですら内部統制が効かず、社会の信用が失われることがありますが、やはり理念に沿った行動をしているならば、このようなことがなく、「顧客に正当な価値を与えて、正当な対価を得られる」事業活動を行っていると思います。
 
上場が目的になっている会社をよく聞きます。
形式上「上場」しただけで、ステータスが急に上がると考える社長さまも少なくありません。
 
従業員にも伝わらず、社長の一人相撲ということがよくあります。上場している会社で皆様がご存知の会社はどれくらいあるでしょうか?
 
直接消費者にモノ・サービスを提供していない会社でも、よく知られている会社はあります。上場していなくても、最近の言葉で言えば「ホワイト企業」と言われ認知されている会社もあります。
 
いわゆるB to Cの会社でも、知られていなかったり、よくない評判がたっている会社もあります。

経営理念と行動の一致は応援団をつくる

企業の追求するべき「理念」がしっかりしていれば、それが会社に関わる全ての人々に伝わります。理念浸透の仕組みが整っていれば、社会との関わりは当然に良好に保たれている、つまり理念浸透のために企業の内部統制やコンプライアンス、人を大事にする姿勢の可視化、あらゆる財務情報の開示は自然と行われているでしょう。
 
上場において主眼が置かれるのはまず投資家です。リスクマネーを投じてくれる投資家に対して、財務の健全性や事業の成長性を裏付ける情報開示体制の整備は徹底して行われます。
 
しかし、それだけでなく、理念に沿って、従業員・地域コミュニティ・事業のコミュニティなどを大切にしていることが投資家に周知できれば、経済的メリットの追求だけでなく、社会に必要とされると認識され、第一の応援団になってくれるでしょう。これは長期保有という形で現れます。
 
株主総会などにおいても経営陣の交代や批判など「モノ言う株主」はさらにサービスや製品をよくする、「フィードバックをくれる株主」に変わってくれるでしょう。
 
さらに、消費者においても、あらゆる良い面・悪い面を公にし、適切な対応をすることで、信頼感が醸成されるはずです。
これは「応援投票」としてのサービス・商品の購入というカタチで現れます。
 
従業員の家族も、取引先も、金融機関も、地域も同様です。その企業のよい理念が形式的にも実質的にも伝播していれば、金銭でなくとも、あらゆるカタチでその企業の応援団として返って来ます。
 

上場の本質

ここで僕はこう考えます。

上場の本質とは、理念の追求をする上で、形式的にも実質的にも、本当の意味で社会の公器たる資格を得るためのステップであると。
 
関わるすべての人びとにとって、「いい会社」であることを公に約束しますよ!
言い換えれば、経営理念の実現を公にコミットしますよ!と宣言することである
ということです。
 
上場で調達した資金は、さらに社会に必要とされるサービスを提供するための応援資金。そこにかかる金銭的・事務的コストも広く「いい会社」として認められるための投資として捉えられるといいかもしれません。
 
極論ですが、しっかりした理念に沿って事業を行っている、従業員と社会に事業活動を通じて関わる方々の幸福を願って活動していれば、全ての中小企業が上場する意義があると考えています。
 
もちろん、世の中に良いことをしていながら、上場はあえてしない、という考え方をする会社もあります。そのような会社はすでに名実ともに、特に特定のエリアにおいて社会の公器となっているのですが、よりコミットメントを強く、より多くのインパクトを与えると希望されているのであれば、選択肢の一つに加えることもできると思います。
 
上場はあくまでプロセスの一部です。「公」になる資格を得て、それを経営理念に沿っていかに実現していくかが重要であると考えます。
 
以上、長文にて失礼いたしました。お読みいただきありがとうございます。
 
IPOに関連する事業者の紹介や、準備のお手伝いもしておりますので、よろしければお声がけください。
 
 
 
 

株式上場とは? そのメリット・デメリットと本質(1/2)

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こんにちは!加藤です。

最近、株式上場について考える機会がありました。
そこで、株式公開・上場のメリット・デメリットとその本質について、2回に分けて書いてみたいと思います。
 
前半は、株式上場について、そのメリット・デメリットについてお伝えします。

 中小企業の経営者の方々は、「株式の上場」について考えたことが少しはあるかもしれませんが、そもそも、「株式上場」とは何なのでしょうか。

続きを読む

顧客接点の少ない従業員が主体的になる方法

こんにちは、細井です!

経営者の方が抱える悩みとして、
従業員の意識が低い、
経営者の想いや熱がなかなか伝わらない、

従業員の意識や人材の教育についてお悩みをお聞きする事が結構あります。

社長のホンネとしては、
もっと自分で考えてくれ!!
真剣に危機感を持って業務にあたってくれ!!

といった所でしょうか。

今回は前回の「従業員を業界の集まりに参加させる3つのメリット」に続き

 

私が業界のセミナーで登壇させていただいた経験、感じた事を元に、従業員が主体的になる一つのアイディアをご紹介したいと思います。

 

業界セミナーに登壇してみて感じたこと

はい!こちらが当日の様子です。

当日は150名くらいの方の前でドキドキでした、
内容や伝え方には課題が山盛りでしたので、
今回そこはおいて置いて(笑)
登壇依頼を受けた当社は、
まだ納得のいく成果が出ていない状態で引き受けても良いものか、、、
まだKFSで経営支援を始めて1年もたっていない、何年もやっている方も大勢いる、、、
業界の中でも重鎮、大御所の方々いる中で本当に私でいいですか??
 
と登壇するか悩みましたが、
やってみてとても良い機会になりました!!
 
依頼いただいた方々に感謝でございます。
 
それは、登壇するにあたって3つの事に向き合ったからでした。
 
自分の仕事について向き合った
 
まずは、自分の仕事について振り返りました。
登壇する上では必ず発表する、聴かれる、コアになる所だと思います。
 
お客様に信頼していただくためにどんな事を意識しているのか?
中期経営計画立案セミナーではなぜ満足度が高い結果が出ているのか?といった日常のことから
 
説明しなければと意識する余り、売り込みのようになってしまい上手く行かなかったことや、
この1年で取り組んだことなど、
自身の業務の状況や日々のアクションを見える化する事で、
自身の成長や現在の業務がよりクリアになりました。
 
所属する部署について向き合った
 
自身の仕事の次に、部署全体について振り返りました。
ここについても自身の業務のバックボーンとなるので、整理、理解する必要がありました。
 
今年の1月に東京事務所を立ち上げてからどんな動きをしていたのか?
事務所としてはどんな事を意識し、何を重要な要素としていたのか?
他部署(弊社の場合は母体である福島)との外部環境や内部環境の違いを元にどう動いているのか?
 
部署全体の流れ、動き、強みや弱みが明確になりました。
 
自社について向き合った
 
部署の次に、自社全体の動きについて振り返りました。
他社の方が集まる場で登壇する上では、一社員とはいえ会社の代表として見られます。
会社の代表であるならば、自社の取り組み、ビジョン、代表が何を考えているのか?
理解した上で望むべきだと思いました。
 
なぜ、東京事務所を立ち上げたのか?
福島と東京でどう相乗効果を生み出すのか?
業界にとって自社はどんなポジション、役目であるのか?
代表は常々どんなことを考え意思決定をしていたのか?
 
向き合えば向き合う程に、会社での取り組み、業界に対して、
自分事になっている事に気づきました。
 
従業員が他社の人に自社のことを話すことは、
自分が自社の代表であるという圧倒的な当事者意識を持たせます。
 
 
接客や営業の現場の方、顧客接点があるので自然に身につく
特に顧客接点のない従業員の方には同業界の集まりで、
会社を代表して話す機会を創ってあげると、
 
会社の代表という意識
主体性
客観的視点
 
3つが体験を通して育まれます。
これは社長がトップダウンで伝えるよりも、
インパクトは大きいのではないかと思います。
 
可愛い子には旅をさせよと言いますが、
従業員を社外の場で話す機会を作ってみてください!
 
 
 
 
 
 

いい会社の経営理念10選(後編)

こんにちは。加藤です!

前回、私のほうででお伝えした「『いい会社』の経営理念事例10社」の後編をお伝えします!

ここでは、NPO法人「いい会社をふやしましょう」に取り上げられている会社の経営理念を、参考にしていただき、自社の理念作成にお役立てしていただくためにご紹介してまいります。

さて、「いい会社」のおさらいになりますが、
1.これからの日本に本当に必要とされる会社
2.社員とその家族、取引先、顧客・消費者、地域社会、自然・環境、株主などを大切にし、持続的で豊かな社会を醸成できる会社
です。詳しくはサイトをご覧ください。
 
今後、私たちでも「いい会社」をしっかり定義し、従業員や顧客、社会、日本、そして世界をよくする企業様をしっかりサポートできるよう尽力します!
 
それでは第二回目、どーぞ!
(※会社によって、経営理念という呼び方ではなく、使命やミッションという形で表現しています。ここでは、経営をする上で根本となる考え方と思われるものを掲載します)
 
「株式会社JR東日本テクノハートTESSEIは、JR東日本グループの一員であることを銘記し、常にお客様の視点にたち、お客様にご満足いただける高品質の清掃とまごころを込めたサービスを提供いたします。同時に、持続的な健全経営を確立し環境問題や高齢化社会に貢献できる企業を目指します。そのために、従業員一人ひとりが常に挑戦意欲を失うことなく、高い倫理観と向上心を持って仕事に取り組みます。」
 
皆様がよく利用するであろう、社会インフラ企業、JR東日本。そのグループ企業である同社は、車両清掃事業を通してそのインフラを支えています。この他、「行動指針」、「CS行動規範」が設定され、これが従業員によく浸透しています。その清掃のプロフェッショナルさに、国内外メディアで取り上げられ、視察や研修依頼も押し寄せるほどの、素晴らしい企業です。
 
「私たちは 『価値を創造するグローバルコンバーター』として、お客様に最適な素材・商品・市場を提案し、安心で快適な生活環境と、より豊かな未来を実現していきます。」
 
繊維素材メーカーの帝人のグループ会社である同社は、繊維原料や資材、製品等の販売・輸出入を行っているグローバル企業です。行動指針【3C1H】を設定し、革新的な事業、環境・防災・地域社会貢献等様々な取り組みを行っています。
 
「100年個人投資家に指示される長寿投信を目指し、300年社会に貢献する企業を支援し、1000年続く持続的な社会を育みます。」
 
NPO法人「いい会社をふやしましょう」の理事を務めている方が代表取締役である同社は、「結2101」という投資信託個人投資家向けに販売している投資運用会社です。私も証券会社に勤めていた頃から非常に注目していた会社です。同社は、志が貫徹し、社会をよくしようという会社に投資をし、その志を投資家にしっかり伝えることを徹底しています。共感がよい社会をつくる見本となる、素晴らしい会社です。
 
 
「私たち石坂産業株式会社は、循環型社会のために産業廃棄物処理はどうあるべきかを考え、自ら行動していきます。」
 
完全な循環型社会を目指して、廃棄物を「ごみにしない技術」を追求し、減量化、再資源化率95%という驚異的な数字を達成している同社。まさに世界に必要とされる会社なのではないでしょうか。
 
 
「最高の製品をつくり、環境に与える不必要な悪影響を最小限に抑える。そして、ビジネスを手段として環境機器に警鐘を鳴らし、解決に向けて実行する。」
 
アウトドアアパレルや雑貨を製造・販売する同社。私もアウトドアウェアを愛用していますが、綿などの原料の栽培から製造・販売に至るまで、サプライチェーンにおける環境負荷や自社以外の生産者への正当な扱いなどを考慮して徹底している、まさに言行一致の企業です。より多くの儲けにつながることがわかっていても、人と環境に負の影響を与えることをしないという経営判断ができる会社です。これが長く愛される秘訣なのではないでしょうか。
 
いかがでしたでしょうか。何か共感できるものはありましたでしょうか?より詳しくお知りになりたい方は企業名をクリックしサイトをチェックしてみてください。次回は、実際に経営理念を作成する際の視点をお伝えいたします。
 
余談ですが、前々回のブログにも登場した人材開発研修を行うアチーブメント株式会社様の講座を受講し、個人の人生の目的、ビジョン、目標について3日間みっちり学んできました。本当にいい会社です。
 
会場内はポジティブな熱気に溢れ、「いい言葉」のシャワーを浴び続けていたせいか、自分の内からふつふつとエネルギーが湧いてきたことを実感しました。
 
また、人を変えるのは「積極的気づき」であるということに気づきました。権力による強制で人を動かすことは可能ですが、好ましくない結果をもたらす。人が動かされるのではなく、自ら気づいた時のみ本質的に動くものなのだということです。
 
会社をつくるのは人。人の人生の目的と会社の理念が協奏されたとき、一貫性のある素晴らしい会社ができ、貢献と業績がもたらされるものだと切に思いました。
 
これからも、素晴らしい方々と共に爆進して参ります!
 
お目通しいただき、ありがとうございました!